同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
微睡みの中の着信 #4
それからは、小春日和のあたたかな陽光に満たされた広い寝室のベッドでイチャイチャとじゃれないながら、お互いの両親への挨拶の日取りや、これから結婚にむけての話で盛り上がっていた。
窪塚のご両親は、もう既に大賛成なのでなんの問題もないが、気がかりなのは、極度の心配性である私の父のことだ。
といっても、この二年間、私だけでなく、母や職場のトップであり、神の手である窪塚の父親とも旧知の仲である譲おじさんがことあるごとにフォローしてくれていたようで、父の窪塚に対する印象も幾分良くはなっているようだけれど。
お泊りを許されている私が不在となる週末が近づくと、父は毎回シュンとしてしまうので、嫁ぐとなると、どうなることやら。
少々心配ではあるものの、挨拶の日取りは来月の私の誕生日である二十三日を目前に控えた十九日の日曜日に決行することに決めた。
そして結婚式は来年の春を目指そうということになったが、お互い形式的なことには拘っていないので、お互いの両親の意向に沿って決めようということにもなって、昨日まで漠然としか思い描いていなかった、私たちが歩んでいく未来が一気に現実味を帯びてくる。
幸せ一色に包まれている私たちの話題は尽きることはなく、結婚後の仕事のことや、新居のこと、今は結婚式の衣装について話しているところだ。
ベッドにごろんと横になっている窪塚に腕枕されている私は、ずっとニコニコしっぱなしだった。
無論、窪塚も私と同じで、とっても嬉しそうにずっと笑顔の花を咲かせている。
ーーあー幸せだなぁ。こんなにも幸せでいいのかなぁ。
ふと暇さえあれば、窪塚の隣でそんなことばかり思ってしまうのだった。