同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。

 そんな感じで窪塚と一緒にタブレットで、結婚情報雑誌の公式ホームページで紹介されている式場の画像を眺めていると、画面に映っていたウェディングドレス姿の女性に目をとめた窪塚が急に何を思ったのか、ニヤニヤしながら冗談めかしてくる。

「鈴のウェディングドレス姿、メチャクチャ綺麗なんだろうなぁ。あー、速く脱がして~」
「////ーーもう! ウェディングドレス着たときのこと想像してロマンチックに浸ってたのに。圭ってば、もう知らないッ!」

 お蔭で、終始夢見る乙女モードでアレコレ思い浮かべていた私は、盛大にムッとしてしまうのだった。

「おいおい、そんなに怒るなって。鈴にとってウェディングドレスが憧れなのと一緒で、男にとってもロマンなんだからさぁ」
「何がロマンよ。圭のドスケベ」

 それに対して窪塚からの返答がこれまたふざけたものだったために、私は、ますます唇を尖らせ猛反撃に出るが、本気で怒っているわけではない。

 窪塚もそのことを察してくれているので、なんやかんや言いあいつつも、イチャついているだけだ。

「そんなこと言って、ドスケベの俺のことも好きなクセに」
「嫌いです~。フンだ」
「素直じゃないな~」
「あっ、ちょっと、なにすーーギャッ!? ヤダ。擽ったい~」
「何々? 聞こえね~な~」
「あっ、ちょっとー!」

 言葉だけの応戦だったのが、いつしか窪塚が擽り攻撃を開始したことで、しばらくの間二人仲良く擽りあいっこに興じていた。

 一頻り擽りあいっこに興じた後、いつしか見つめあい、微笑みあっていて、互いの唇を啄みあいっこしているうちに、やがて本格的なキスへと移り変わり、窪塚との甘やかで幸せなキスに酔いしれていたのだが。

 そこに、あたかも私たちの邪魔でもするかのように、サイドボードに置いてあった窪塚のスマートフォンから着信を知らせる賑やかな音色が響き渡った。

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