同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
高鳴る鼓動
仕事が早く上がれたといっても、季節はもう十一月。
午後十九時を過ぎて、ノスタルジックな夕焼け空から宵闇へと移りゆく時間ともなれば気温も下がり、風がなくとも肌寒く感じられる。
久しぶりに窪塚と会えるのだからと、少々張り切って、しっかりとした裏地があるとはいえ、シフォン素材のパフスリープがオシャレなプリーツワンピをチョイスしたから余計だ。
彩に指摘されたように、ひらひらしていて程よい光沢感もあるし、ふんわり可愛いパフスリープとウエストのリボンがアクセントになっていて、女性らしい括れもあり、プリーツとの相乗効果でスタイルがよく見える。
落ち着いたグレーの色味がなんとも上品なワンピだ。
一応、ニットのボレロも羽織ってはいるけど薄着できてしまった事に、今更ながらに少し失敗だったかな、なんてついさっきまで思っていた。
けれど久しぶりに窪塚に会えたことで気持ちが昂ぶっているからだろうか。
窪塚の腕の中はとてもあたたかで、寒さなんて微塵も感じられない。むしろ熱いくらいだ。
寒さなんてものともせず、窪塚の逞しい腕の中で、幸せな心地で、甘やかなキスに酔いしれていたのだった。
久しぶりのせいか、窪塚も気持ちが昂っているようで、角度を変えるたび窪塚の口づけがどんどん甘さを増していく。
「……んっ……ふぅ……んぁ」
やがて私の顎を捉えていたはずの窪塚の手が胸の膨らみに添えられていて、ゆっくりやわやわと揉みしだき始めた。
もちろんその間も窪塚の甘やかな深いキスは絶えることなく続いていて、どんどん激しさが加速する。
窪塚のねっとりとした熱い舌先で口蓋を幾度もなぞられゾクゾクと全身が粟立ち、徐々に思考が蕩けていく。
息をつく間も与えられない激しいキス。
互いの溢れくる唾液に今にも溺れてしまいそうだ。
そんななか、幾度となく舌を絡めあい貪欲に貪られ、執拗に舐り尽くされた舌をちゅうっと強く吸われるたびに、身体からくたりと力が抜け、ガクッと膝から崩れそうになる。
それを窪塚の逞しい腕によりぐいっと引き寄せられ、キスから開放された私が名残惜しさに思わず目を見開くと、窪塚の端正な顔が微かにぼやけた視界いっぱいに映し出された。
窪塚はコツンと額をくっつけたまま、微かに唇が触れあった状態で、ぽーっとしたままの私のことを熱っぽい瞳で見つめてくる。
「鈴がメチャクチャ綺麗でヤバい。服もすげー似合ってるし、会うたびに綺麗になってて、俺のためだと思ったら堪んなくなる。もう、誰にも見せたくねーくらい可愛くてどうしよーもねーよ」
いつもそうしてくれているように、切なげな声音で紡ぐ情熱的な言葉と一緒に、メイクや服装についてもちゃんと気づいてくれて、褒めてもくれる。