同期ドクターの不埒な純愛ラプソディ。
まだキスだけだというのに身体の中心が熱を帯び、足の裂け目の最奥がズクズクと切ないほどに疼いてしまう。
その感覚に、羞恥が込み上げる。
無意識に両膝を擦り合わせてしまうのだった。
その様をいち早く察知したのだろう。
「こーら、隠すな」
「////ーーッ!?」
キスを中断した窪塚が私のおでこにコツンと自身の額を重ねつつ咎めてくる。
けれど言い返すことなどできなかった。
なぜかというと。情事限定の意地悪な表情に途轍もない色香を滲ませていて、魅入られたように動けなくなってしまったから。
その間にも私の腰と後頭部を支えてくれていたはずの手は、いつしかバスローブの裾を割って太股の表皮をそうっと撫で上げていた。
身体はこの先への期待感からかゾクゾクと
泡立っていく。
窪塚の節くれ立った指が、辿り着いた足の裂け目を下着の上から探るように撫で上げる。
「キスだけで下着まで濡らすなんて、俺の奥さんはずいぶんエロいんだな」
「////……ち、ちがっ」
耳元に意地の悪い声で囁かれ、カアッと全身が熱く滾っていく。
思わずムッとして、微かにぼやけてしまっている目でキッと睨むと。
「そんな怒るなよ。可愛いって意味なんだからさぁ。それに、俺、ずっと鈴に触れられなかったから余裕なくて悪い。でも、鈴が嫌だって言うなら、必死に抑えるつもりだから安心して欲しい。やっぱ、優しく抱かれたいよな? 初夜だしな、そうだよな」
すぐに宥めてきた窪塚からは、意外な言葉が返ってきた。
さっきまでいつものドSっぷりを遺憾なく発揮していたのが夢か幻かのような豹変ぶりだ。
変わり身の速さにも驚いたが、そんなことを気にしていたなんて夢にも思わなかった。
そういえば、プロポーズされたあの夜、どうしてこんなに苛められなきゃいけないの。そう思ってしまったんだっけ。
まさかあの夜から、ずっとそのことを気にしていたってこと?
いや、でもあの後確か、私は自分がドMだってことを確信して、ドSである窪塚との相性がピッタリだということに喜んだんだった。
でも、そのことは口にはしていない。
ということは、あのときの私の言葉のせいだ。
なら窪塚のことを一刻も早く安心させてあげないと。
私の心は、そんな想いで埋め尽くされていた。
「もう、ヤダ。圭ってばそんなこと気にしてたんだ。別に、そんなのいいのに。私はどんな圭のことも好きだよ。それに私、ドMみたいだし。だから、夫婦揃って相性ピッタリってことで問題なしってこと。わかった?」