私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 朝、研究室に行くと、栗山先生が研究室の机の下の寝袋から顔を出した。
 研究が忙しくなると泊ることもあるけど、昨日は一度家に帰っているはずだ。

「お、おはようございます。昨日、こっちに泊ったんですか?」
「あぁ……ちょっと、ね」
「そうですか」

 私はそう呟いて、それから栗山先生を見つめると、

「「あのっ」」

と声を上げた。
 同時に栗山先生も同じように声を上げたらしく、ピッタリ2人の声が重なる。

「……あ、夏目さんから」
「昨日は、修がごめんなさい……」

 私が言うと、栗山先生は私をじっと見た後、口を開いた。

「本当に猪沢先生と結婚するの?」
「あれは修が勝手に言ってるだけで。でも、いろんな人にそんなこと言ってて……。修は昔、そういうこと誰にも言いたがらなかったし、もう私には修が何考えてるのかさっぱりわからないんです」

 本当に修が何を考えているのかわからない。

 私が慌てたり、振り回されて困ったりするのを見て楽しんでいるとしか思えない。

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