私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

「ただいま、アデニーン!」

 私は家に帰り、一直線にハムスターのアデニンのもとに向かった。

「あのね、正規職員にならないかって言われた!」

 嬉しいことも悲しいことも、アデニンに共有してきた。
 そうできる友達が少なかったのもあるけど、やっぱり昔から生物は好きで、この大学の理学部生物学科で生物分子遺伝学を専攻した。

 ただそんな人間の就職先はあまりなくて、結局就職先にはあぶれたのだけど……。

 だから、鈴鹿先生の話も、私にとっては、とてもありがたいものだった。

 そう思っていると、

「それはよかった」

と声が聞こえて身体がびくりと震える。

 アデニンが喋った! ……わけではなく、修がいたのだ。

< 113 / 388 >

この作品をシェア

pagetop