私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 私はその言葉に眉を寄せる。

「……好き?」
「好きだ。くるみのことが昔からずっと」
「……うそ」

 私はカッとなって、言葉を荒げた。「そんなのウソばっかり!」

「嘘じゃない」

 修は淡々と答える。
 手はそのまま強く繋がれたままだった。

「修なんてきらい!」
「あぁ」
「嫌いになったって言ってるでしょ!」
「あぁ」

「……どうしてあの時そう言ってくれなかったの。そうしてれば私は……!」

 いつの間にか泣いていた。
 あの時、その言葉を、欲しかった言葉を、修が私に言ってくれることはなかった。
< 116 / 388 >

この作品をシェア

pagetop