私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「ひゃっ……!」
修はそのまま私を抱きしめる。
「ごめん」
「離して」
「もう、離さないから」
修は自分勝手だ。
欲しい時にくれなかった言葉を今になって言って。
抱きしめて欲しかった時には抱きしめてくれなかったくせに、今になって強く抱きしめたりなんてして……。
栗山先生が言ったみたいに、修は私の事、ただ都合のいい女って思ってるんだよね。
分かってる。
分からなくても分かるふりをするしかなかった。
ーーーなのに。
目が合うと吸い込まれるように顔が近づく。
その日のキスは、修からしたのか、私からしたのか……。
私は自分でもそれが分からなかった。