私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
11章:5年前③

―――5年前のその日、
 私は病院と医学部の敷地内をうろうろしていた。

(確か、修がいるはずの病棟はこっちで、医学部は南棟のほうで……)

 地図を見ながら、病院の外科と研究棟の場所を確認する。
 それらを結ぶ道も修は通りそうだ。

 私は手にもつ保冷バッグを見る。
 それからもう一度あたりを見渡した。

 理学部のあるキャンパスとこっちのキャンパスでは随分雰囲気が違う。

 それは大学病院という特殊な施設があり、そこには学生や教員だけでなく、患者さんや病院スタッフも勤務しているし、救急の救急車もやってきているからだろう。
 ピリリとした緊張感があるように感じた。
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