私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
一瞬胸がどきりとしたけど、私は手にもっていた保冷バッグを押し付けた。
「修、今日そのまま泊りだって言ってたでしょ? 放っておくとちゃんと食べないし。これ、お弁当作ったんだ。ご飯はちゃんと食べて」
「ありがと」
修がそれを受け取ると同時くらいに、修と一緒にいた男女のうちの、修の隣にいた背の高い茶髪の男性が「猪沢、もしかして彼女?」とからかうように言う。
「バカ、幼馴染だよ」
修はきっぱりとそう答えた。
その言葉に、周りにいた女性たちがほっとしたような息を吐く。
私は、修のその言葉に胸がズキリと痛んだ。
(『彼女』って言ってくれないんだ)
それは予想以上に私にとってショックなことだったようで、それからも胸をズキズキ痛め続けた。