私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
私がじっと修を睨んでいると、修は何事もなかったように私の頭を軽く叩く。
「ほら、早く着替えないと仕事遅刻するぞ。今日、一緒に行こう」
「なんでっ、やだよっ!」
「言う事聞かないと今すぐ俺が着替えさせるぞ。なんなら、あの下着今から履かせようか?」
「絶対やだぁああああああっ!」
私は慌てて修と離れて、着替えて支度を済ませた。
確かに遅刻しそうな時間だった。
修は修で素早く準備して、テキパキと簡単な食事まで用意している。
焼いたトーストにバターとミルクがテーブルに置かれる。
「ほら、さっさと食え」
「あ、ありがと。いただきます」
素早く二人で食事を済ませ、身支度を整えると慌てて家を出る。
その時、修は私の左手を握った。
「手っ、手を離してっ! 誤解される!」
「ほら、急がないと間に合わなくなる」
そう言われて、慌てて走り出す。
でも結局、手はしっかり握られたままだった。
「離してぇええええ!」
走りながら叫んでも修は離してくれない。
「そんな大声で叫ぶとみんなに見られるぞ」
「うぐぅっ……」
私は注目されるのも嫌で、思わず口を噤んだ。
すると修はそんな私を見て、楽しそうに笑っていた。