私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
2章:誕生日の夜
「何考えてんの! 年頃の娘の家にあんな野獣送り込まないでよ!」
私は引きずられるように家に帰ってから、母に電話をしていた。
母は、バリバリッと言う音をさせ、明らかに何か(たぶん母の好物のとうがらしせんべいだ)を食べながら、
『え? 結婚前提で一緒に住むって聞いたわよ?』
とさらりと恐ろしげなことを言う。
「そんなわけないでしょ!」
『本当に修くん、立派になったわよねぇ! ボストンでさらに男前になってきて! それに引き換えアンタはいい年して、彼氏も作らずアルバイトで、これからどうするつもり……? せっかくいい大学卒業しても完全に不良債権……」
「う、うるさい! もう、いい!」
『そうだ。忘れるところだったわ』
母が思い出したように言う。
「な、なによ……」
『お誕生日おめでとう』
突然の言葉に私は戸惑い、でも嬉しくて微笑んでしまう。
(やっぱりお母さんはお母さんだよね……)
「あ、ありがとう」
『修くんと熱い夜を過ごしてね』
「最低だぁああああああ!」
私は泣いて暴言を吐き、電話を切った。
なんだあの適当な親は! お願いだから、誕生日プレゼントに、もう少し常識のありそうな脳みそにいますぐ替えてくれ!