私、今度こそあなたに食べられません！ ～戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活～

　私ははた目から見て分かるほど、やっぱりまだ修のこと好きでいるのだろうか。
　もし事実なら、本当にバカだよな、と思う。

　いくら口先で否定して見ても、こうもあっさりと鈴鹿先生に言われると、これまで意地のように嫌いだと言い続けてきたことすらバカらしくもあった。

「仕事のことも前向きに考えてくれてありがとう。私もできる限りサポートもするから。猪沢くんだってそのつもりだそうよ」
「……」

　先生は言う。いつのまにそんなことまで修と話していたのだろう。
　私が戸惑っていると、鈴鹿先生は微笑む。

「猪沢くん、いい夫になりそうね」
「でも、私は……猪沢先生と結婚することはやっぱり考えられません」

　私が言うと、鈴鹿先生は、んー、と顎の下に手を当てた。

「今日うちに飲みにこない？」
「え……」
「主人も今日は出張でいないし。うちで飲み明かしましょう！」

　これまでも研究室での飲み会は参加してたけど、二人で、しかも先生の家なんて。なんだか恐れ多い。

「あ、ありがとうございます。でも……」

　断ろうとしたところで、鈴鹿先生は話しを進める。

「あ！　そうだ！　くるみちゃんも正規になりそうだし、せっかくだからもう一人呼んで女子会しましょう！　猪沢くんは口うるさそうだから、私から連絡しといてあげる。私から言えば頷くしかないでしょ」

　先生は弾丸のようにそう話すと、微笑んで私を見ていた。