私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 私がぼんやりしていると、いつの間にか芦屋先生が隣にいて、私の方を向くと、頬をするりと撫でる。

「くるみちゃん、お肌すべすべねぇ。何歳だっけ」
「に、25です」

 顔を近づけてきた芦屋先生からいい香りがする。
 芦屋先生が美人過ぎて、こんなに近くで頬を撫でられると、なんだかドキドキしてきた。顔が熱いな、と思ったら、さらに撫でられた。

「お酒では赤くならないのにこんなことで赤くなるんだ」

 芦屋先生は嬉しそうに目の前で微笑む。「ほんと、どうしてタチの悪いねちっこい男って、こういう嗅覚だけは優れてるんだろうね? 嫌になるわ」

 そう芦屋先生がつぶやいた時、またインターホンが鳴った。
 時間はもう11時過ぎ。こんな時間にだれだろう?

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