私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
鈴鹿先生が出てくれると、それからすぐにリビングに修が入ってきた。
私はそのときそのまま芦屋先生にくっつかれていて、その状態で修を見て目を丸くする。
「修!」
「……ちっ」
修が舌打ちしたように思って、私は思わず修を見上げる。
(あなた今までそんなことしたことなかったですよね⁉ なんか怒ってる⁉)
「迎えに来た」
そう言って、芦屋先生を私からベリリと剥がして、私の腕を掴む。
やっぱり怒ってそうな修の雰囲気を感じて、私は口を噤んだ。
鈴鹿先生が微笑みながら、
「泊っていけばいいって言ってたのよ?」
「それはまた俺のいる時でお願いします」
修は笑顔で返して、そのまま私を連れて鈴鹿家を出た。
それから家の前につけていたタクシーに押し込まれるようにして乗せられる。
文句を言おうとしたら、修がそのまま私の横にぴたりとくっついて座った。
「しゅ、修? な、なんか怒ってる……?」
「まさか」
そう言った修の笑顔を見て、やっぱり何か怒ってる! と私はやけに震えた。