私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
つながれている手から汗が大量に流れているような気がする。
今すぐタクシーが家について、外に飛び出せたらいいのに。
そう思うけど、タクシーが目的地についても、なんだかいい予感はしない。
色々考えだすと、さらに手は汗ばむし、泣きたくなった。
考えてみれば、着いたらすぐさま、走って逃げればいいのか?
相手は私より足が長いと言っても、9歳も年上だ。
昔はこの年の差が嫌で嫌で仕方なかったけど、今はむしろラッキーなくらいだ。
酔っていても若い分、体力では私の方が有利かもしれないからだ。
そんなことを真剣に考えていると、
「走って逃げようなんて思っても無駄だから」
とぴしゃりと言われる。
(なんでわかったぁああああああああ!)
そう思って修を見ると、修は「くるみは単純すぎるんだよ」となぜか威圧感たっぷりの笑顔で言う。
その笑顔すら怖い。むしろ笑顔だから怖い。