私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

―――5年前。

 駅前の施設に用事があり、それを済ませて歩いていると、肩を叩かれた。
 振り向くと、背の高い茶髪の男性が立っている。

「きみ、猪沢の幼馴染の子だよね?」
「えぇっと……」

 修のこと知ってるってことは、修の友達……。
 私の記憶がはっきりするより前、

「俺、一度会った子は忘れないんだ。病院で一度会ったでしょ? お弁当届けに来てて。俺は熊岡壮汰。壮汰って呼んで」

と、壮汰さんは言った。
 そのとき、大学で修と一緒に歩いていた男性と顔が合致して、私は思わず、あぁ、と呟く。

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