私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
16章:夜と朝の合間
―――本当に好きで、愛してたなら私を一緒に連れて行ってくれたよね?
好きだ、愛してると聞くたびに、今でもそんな風に思っちゃう自分が嫌になる。
私はあれから頑なに恋人を作る気も、誰かを好きになる気すらなくなった。
その原因を作ったのは修だ。
修が私を傷つけて突き放した。お前なんて愛してないと言わんばかりに。
それが今更『愛してる』だなんて、どの口が言うのだ。
そんな言葉で釣られるほど、今でも私は都合のいい人間だと思われているのかと泣きたくなる。
それでもその言葉を修の口から聞くたび、あの頃の記憶が少しずつ塗り替えられていって……そうすると修のことがまだ好きでいる自分をつきつけられるようで、もっと泣きたくなるのだ。