私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「このド変態! いますぐボストンに戻れ! いや、幼少期から人格形成やり直せっ!」
私が叫んでも、修は全く堪えていないように私の頭をがしがしと撫でる。
「幼少期はきついな。だってくるみにまだ出会えてないし」
「そんなのっ」
「人生やり直せても、くるみが年上でも年下でも、俺はきっとまたくるみに恋をすると思う」
「うぐぅっ……」
(突然真顔でそんなこと言ってくるな! 無駄にイケメンはこれだから困る!)
私は、こういう『言葉』に弱い。
恋愛映画やドラマをたくさん見て憧れてきたのもあるし……修はこんなこと、5年前は全然言ってくれなかったから。
言葉一つですぐに絆されそうな自分が嫌になる。
私は唇をかむと、できる限り冷静に口を開いた。
「修にとって私は、たくさんいるうちの女の子の一人っていうだけだっただろうけど、私はっ……私にはずっと修だけだったの。だから、そんなこと気軽に言わないで」
途端に泣きだしそうになった。
でも修は私の頬を優しく撫でると真剣な顔で言う。
「気軽じゃない。自分の気持ちを伝えられるようになるまで、何年かかったと思ってる?」