私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

「あのね? 雇用のことで書類を色々用意してもらわなきゃいけなくて。学部から卒業証明書と成績証明書を発行してもらってほしいの。同じ学内だけど、それは学部でお願いしなくちゃいけないみたいで。勤務時間内でいいから一度時間みて行ってくれる?」
「それはもちろん」

 私が頷くと、鈴鹿先生は思い出したように話をつづけた。

「そう言えば、くるみちゃん、すっごい成績良かったんでしょ?」
「悪くはなかったと思いますが……」

 大学の成績は人と比べることがあまりない。だから、悪くはなかったが、良かったかと問われれば、わからないのだ。

「山口教授も褒めてらしたわよぉ。熱心な学生だったって」
「はは……」

 私はそれを聞いて思わず苦笑した。
 あの頃、修のことを考えるのも嫌になって、かといって他にできることもなくて、研究室に入り浸ってた気がする。動物たちの近くにいたら落ち着いたし、研究も楽しかったし……。家に帰ってもどうせ一人だから、ほとんどずっと泊まり込みだった。

 それを『熱心』だととられると、なんだか申し訳なくなる。
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