私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 私が洗濯物を取り込む手を止めて隣の栗山先生の方を見ると、先生も手を止めてこちらを見ていた。私は静かな間に耐えられなくなって話しかける。

「なんか久しぶりですね。こうしてここで話すの」
「前は夜にお互いにベランダ出てビール飲んだりしたよね」
「あはは、そういえばそんなことありましたね」
 
 私は笑う。栗山先生は私が手伝うと、なにもしないでいいのにそのお礼に、と言ってビールをくれたりする。それを二人でベランダ越しに飲んだことが何度かあるのだ。

 栗山先生はなにかを思い出したようにまた笑った。

「そういえば、アレが出て大騒ぎして夏目さんがベランダに飛び出てきたことあったよね」

 全く笑い事ではないが、Gが出現した時、私は慌ててベランダに逃げた。生物は好きでも、あれはどうしても苦手なのだ。
 あまりの私の叫び声に、栗山先生が慌ててこっちに来てくれて退治してくれたのは今でもよく覚えている。
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