私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

「先生も慌ててましたよね。ベランダから伝ってこっちきたし」
「あのときはアレがいるから、夏目さんが部屋に入れなくて玄関が開けられない、どうしよう!ってパニックになって泣いたからだよ?」
「そうでした?」
「なのに、『大丈夫ですからっ、私で何とかしますから!』って言ってさ。絶対無理じゃん。だから、ちょっと強引にベランダからそっち行ってアレを取ったんだよ? ほんと、都合の悪いことは忘れてるものだね」
「返す言葉もありません」

 私が言うと、栗山先生は楽しそうに笑う。
 あの時も、栗山先生は、夜に部屋に押しかけてごめんね、とアレを退治して早々に帰っていった。

 そういう日々を繰り返すうちに、私は男の人のこと……
 以前より怖くなくなったのだ。
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