私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
修が作ってくれたのはミートソースのパスタだった。
口に入れてみると、思ってた以上に美味しかった。
「本当においしい!」
「あっちでも時々作ったんだ。簡単だしな」
そう言いながら、修は私が食べるのを見て微笑み、自分も食べ始めた。
「そうなの? ちゃんと毎日ご飯食べてたんだ」
「……まぁ」
修が少し目線を反らせて言う。
私はそれを見て苦笑した。
(うそ、ついてるなぁ……)
「その顔、毎日食べてたんじゃないでしょ。だめだよ、身体壊す。修のご両親も心配するよ」
私が言うと、修はまっすぐ私を見ていた。
その目に見つめられると、ドキリとする。
「早く日本に戻りたい一心だったんだ。やっと……日本でも研究ができるって段階まできて、どれだけ嬉しかったか」
(そんなこと、そんな真剣な顔で言わないでよ……)
私は思わず黙ってパスタをバクバク食べ始めた。
修もそのまま黙って食べ続ける。
食べるたびに、不思議と心臓の音が大きくなってくるのに気づいて、また泣きそうになった。