私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 私は唇をかんで歩き出す。

「もう、私お風呂入って寝る! 修、絶対こっちからこっちに入ってこないで。入ってきたらうちから追い出すから!」

 ふいにパシリと掴まれた手首に、身体が震えた。
 振り向くと修がこちらを熱っぽい目で見ている。

「俺はいつだってくるみに触れたい。くるみが嬉しいのも、悲しいのも、苦しいのも、気持ちいいのも……与えるのが俺でないと許せない」

 修に真摯にそんなことを言われれば、心が動かされそうになる。
 修は、私が今、修の方を向いてないからそんなこと言うの?

 固まる私を見て、修は困ったように自分の髪をクシャっと掻いた。

「こんなふうに思うなんて、ほんと予想外だったよ」

 やっぱり5年前は、そんなこと思ってなかったんだよね……。
 でも今は……?

 今は、それが本当の気持ちなの?

 私は修が嘘をついているようには思えなくて、
 だめだって思っているのに、もう1人じゃ降りれないところまで自分の気持ちが登って来ているように感じていた。
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