私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
タクシーがついたのは、都内屈指のハイクラスホテルでもある帝国パークハイアットだった。
私はホテルを見上げると、思わずくるりと踵を返す。
「ここって……ホテルじゃん! いや、結構です。カエリマス」
(これ、絶対死亡案件のやつ……!)
しかし、修はそんな私の手をパシリと掴んだ。
「そんなにビビらなくても……。ここの鉄板ダイニングってだけ。結構うまいんだよ?」
「でも……」
修を見ると、修は小さく息を吐く。
「そんなにビビってるくるみを部屋に連れ込むとかしないって。……というか、同棲してるんだから、わざわざ今日じゃなくても、いつでも抱こうと思えば抱けるだろ?」
「うぐぅっ……!」
なんて事言うんだ!
そうは思うが、それは事実と言えば事実でもある……。
修は私の手を掴むと、ホテルに入ってエレベータにのり15階のボタンを押した。
ちらりとフロア表を確認すると、確かに15階にはレストランやダイニングの類が入っていて、宿泊フロアではないようだ。
ほっと息を吐くと、エレベータはすぐに15階に着く。
「ほら、くるみ。おいで」