私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 私は目線を空中に彷徨わせると、また口を開いた。

「さっき言ってた高梨先生ってもしかして病院長……?」
「あぁ、俺の医学部生時代のゼミの教授だ。あの人、専門が外科だから。知らなかった?」
「うん。あ、あれだね? 白いアレ的な、ドクターソレ的な感じ? 大学病院の先生って普段からこんなところで食べてるんだね……修も」

「俺も打ち合わせのあとには連れてこられたことあるけど、普段からって言うと病院長くらいじゃないか? 高梨病院長って、舌が肥えてるから気に入ったところにしか食べに行かないらしいし」

 そう言って思い出したように笑って修は口を開く。「5年前も病院長と、医学部の先生たちと……。共同研究してる理学部先生とかと来てたかな」
「須藤先生、とか?」

 私が言うと、修は目を丸くする。

「なんだ、良く知ってるな。須藤と直接関わりはないだろ?」
「人からちらっと聞いて……」
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