私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 中庭に行ってみると噴水もあった。
 その周りにイルミネーションが施され、まるで楽園だ。

「くるみ」

 修が言って、噴水の前で立ち止まる。

「綺麗だねっ!」

 私がそれに気付かずに振り向くと、修は真剣な顔で私の両手を持った。
 突然そんなことをされれば、身体が凍ったように固まる。

「ふぇっ……⁉」
「くるみ、改めて言わせて」
「な、なにを……」

 私が戸惑っていると、修は目を細める。
 その仕草にドキリとすると、修は私の手を握り締めた。

「俺と結婚してください」


 修が緊張しているのが手からも伝わってくる。

 なんで今なんだろう……。そう思うと泣きたくなる。
 5年前だったら、嬉しくてすぐに飛びついて頷いたのに……。

ーーー今の私はそんなに素直でかわいい女じゃない……。
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