私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 私はそれに気づいて慌てて口を噤む。
 すると修は、ぴくりと眉を寄せた。

「いや、くるみこそ、なんでそんな風に思ってたわけ? いるわけないだろ。忙しかったし」

 そう言われれば、なんでだろう?
 ふと、壮汰さんのことを思い出したけど、それだけが原因じゃなかった。

 それまで、修が好きだって言ってくれなくて、その時に壮汰さんからもあんな話聞いたからだ……。

 私はそれに気づいて息を呑んで、言葉を紡いだ。

「ず、ずっとそう思ってた……。修は特別モテてるって聞いたし。それに、私も置いていったし……。だから私のことは好きじゃなくて、そういう関係の女性たちのうちの一人だったのかと……」

 自分の声がどんどん小さくなるのを感じる。
 修は私の肩を持つと私の顔に自分の顔を寄せた。

「俺が一度でもそんなこと言ったことあるか」
「自分からふつう言わないでしょ! それにあのとき、修はそれ以外も何も言わなかったじゃない。好きも、愛しているも、何も……!」

 思いのたけを叫ぶと、なぜか泣けてきた。

 嗚咽が漏れそうで、それを堪えて涙をぬぐう。「もういいよ。こんな話。そもそも、結婚だって本気で言ってるの? 信じられないよ」

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