黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?
20章:変わりつつある日常
―――好きだ、くるみ。
なんて、真正面から言われると、どうしていいのかわからなくなる。
「……うぅ」
私は目をそらして、そのまま修をそっと押す。
修は困ったように笑うと、私の髪を優しく撫でた。
「やっぱり俺からすると照れるんだな」
「照れてないって!」
「まぁ……それは、そうだったらいいなっていう俺の願望」
「なにそれ……」
それから修は微笑んで、まるで王子様みたいに私の手をもって立ち上がる。
手からドッドッドッて音が響いてる気がする。
―――これは誰の心臓の音だ……。