私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
そう言って、あんぐりと口を開けた私の隙をつき、額にちゅ、と口づけた。
「何すんだぁああああああ! この変態!」
「だって隙だらけだったから」
「もう決めた。殴る!」
私が怒ってこぶしを振り上げるとその腕はパシリと修につかまれる。
「ちょ、落ち着けよ。別にいいだろ。あっちじゃ挨拶みたいなものだし」
「ここは日本だぁああああああ! 不満があるならボストンに戻れ!」
「いやだ、くるみと二度と離れない。そう決めて日本に帰ってきたんだから」
その決意したような低い声に、思わず言葉に詰まる。
でも、それでも……。
「そんなこと勝手に決めるなぁあああああ!」
泣いてる私の髪を、泣かせた本人が、よしよし、と撫でるもんだから、さらにイライラした。
振り解いても何回も撫でられるから結局根負けして撫でさせておいてやることにしたら、調子に乗って、修は私の頭を愛おしそうに撫で続けた。
―――そんな誕生日の夜だった。