私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

「はぁ……」

 その日、鈴鹿先生も栗山先生も会議だったので、一人で昼食をとるのに学食まで行った。

 以前修とはここで会ったから修に会えるかもしれない、という仄かな期待と、会ってどうするんだ、という疑問が頭の中で対立する。

 そんなことを思って何度目かのため息をついたとき、

「……もしかして、くるみちゃん」

と声をかけられた。

「……はい?」

 振り向くと、見たことあるような……スーツの男性がそこに立っている。
 食べ終わった食器をもっているので、学内の人間で、食事を終えて出るところのようだ。

「くるみちゃんだ。覚えてる? 猪沢の同期の」
「あぁ、壮汰さん!」

 私が叫ぶと、壮汰さん、こと、熊岡壮汰さんがにこりと笑った。

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