私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「病院長が猪沢帰ってきたのを喜んで猪沢のことコキ使うからさ、猪沢疲れてるだろ」
「はぁ……確かに」
そう言う事情があったのか……と思う。
でも、期待されているんだなぁと思うと、なんだか自分のことのように誇らしくもあった。
「きついと思うよ。ボストンでは研究が主だったはずだから。こっち帰ってきて研究も講義も臨床もなんて」
「ですよね」
「ま、つぶれないように気を付けてやってよ」
「ありがとうございます」
「いいえ」
そう言うと、壮汰さんは、もういくね、と言って歩き出す。
そしてぴたりと足を止めると、
「あ、何かあれば連絡ちょうだい。番号も変わってないから」
「ありがとうございます」
私はぺこりと頭を下げた。
(なんていい人なんだろう……5年前だって相談に乗って、応援してくれて……)