私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 その日の夜、やっぱり修はいつも通り遅くて。

「帰ってこない……」

 いつのまにかウトウトして寝ていた。

 初めて修に会った時の私はまだ小さかった。
 
 いつも遠慮なく飛びついて、なんでも相談した。大好きで……少し大きくなるとこれが恋だと思った。

 夢の中……。
 帰ってきた修に昔みたいに飛びついていた。

「修。帰ってきてよかった」
「ちょっ……くるみっ!」

 昔みたいに少し驚いた顔の修。
 やっぱりこれは夢かなぁ。

「くるみ、寝ぼけてる?」
「そうかも」
「そっか」

 背中に修の手が回る。あったかい。それに修のにおいがする。
 私もそのまま修の背中に手を回して、にへら、と笑う。

「おかえりなさい」
「ただいま」

 あぁ、やっぱりまだ眠い……。

 ふんわり身体が浮いて、
 やっぱりこれは夢の中だと思った。
< 255 / 388 >

この作品をシェア

pagetop