私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
その日は書類を取りに行くのに、理学部のあるキャンパスに行くことになっていた。
夕方の終業時間直前に着くように行って、直帰するように話をしていたので、出る間際に鈴鹿先生に声をかける。
「すみません、理学部に寄ってから直帰します」
「芦屋にもよろしくねぇ」
「へ? 芦屋先生?」
「今日書類とりにいくって話をしてたら、会いたいって張り切ってたわよぉ」
そう言われて、私も思わず身を乗り出してしまった。
「わ、私も会いたいです!」
「あら、両想い?」
「いや、そうじゃなくて……ちょっと話したいなぁって」
「なに? 恋の悩み⁉ それなら私が聞くわよ!」
鈴鹿先生が鼻息荒く言う。
その時、栗山先生が鈴鹿先生の肩を叩いた。
「鈴鹿先生はゼミですから。学生待ってますよ……」
「えぇっ!」
結局そのまま栗山先生に連行されて行った鈴鹿先生を、私は苦笑して見ていた。