私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 ごつごつしてて男の人の手だ。
 指は細長いのに、その指先はやけに固くて……。

 急に以前その指に触れられたことを思い出して、顔が熱くなる。

(なんだ、私! 変態だっ! 確実に変態じゃないか!)

「くるみ?」

 修が不審そうに私の顔を覗き込んだ。

「な、なにも考えてないっ!」
「なんだ、その宣言は。おかしな奴だな」

 そう言って修が苦笑する。
 それでも目が合うと、また甘く蕩けるような目で見つめられる。

 そうされると、先ほど、自分だけが不埒なことを考えていたように思えて泣きそうになる。

(これは、なんの罰ゲームなの⁉)

 叫びだしたい気持ちを、サンドイッチと一緒に胃に流し込んだ。

< 276 / 388 >

この作品をシェア

pagetop