私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
朝、大学に行こうと家を出たら、修が隣に立って、私の手にするりと手を這わせる。
先ほど手を見すぎていたせいで、それだけで顔が爆発しそうなほど熱くなって手をぶんぶんと振るが、修の手に逃さないと言うようにさらに強く握られた。
「や、やめてっ」
「もう付き合ってるんだから、いいな?」
(最近なんなの、その命令口調の質問は! ノーって選択肢あるの⁉)
困っていると、修は目を細めて私を見ていることに気づく。
(ほら、なにその目! また甘い目で見て! あなたそんなキャラでした⁉︎)
そんなことを考えると、またさらに落ち着かなくなった。
「肩に力入りすぎ」
そう言って、修が笑う。
(あれ、なんかご機嫌だな……)
私はちらりと修を見ると、修はもう一度私を見て、
「今日は金曜だしなるべく早く帰れるようにするから」と微笑んだ。