私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

―――その日の昼休み。

 いつも通り栗山先生がランチに行こうと誘ってくれて、私はそれに頷いてついていった。

 この大学は、医学部系・歯学部系・薬学部系は同じキャンパス内にあり、そこに附属病院が隣接している。
 このキャンパス内に学食は1つ、カフェが2つ、附属病院内にも食堂がありそこも使用することもできる。近隣にも学生をターゲットにした安い飲食店が集まっているので、ご飯を食べるには困らないし、『偶然知り合いに会う』なんてこともほとんどない。

「今日はどこにします?」
「午後一の会議があるから、学食かなぁ」
「そうしましょう」

 忙しい時の学食。何せ、学食は薬学部棟に近いのだ。

 二人、足早に学食に向かって、定食を買ってから席に向かうと、学食の一角に人だかりができていることに気付いた。
< 29 / 388 >

この作品をシェア

pagetop