私、今度こそあなたに食べられません！ ～戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活～

　私が首を傾げると、栗山先生は続ける。

「同じだったんじゃないかな」
「え？」
「夏目さんが今僕に思ってる感情と、猪沢先生への5年前の感情は、近かった」

　栗山先生ははっきりとそう言った。
　その言葉に思わず栗山先生の顔を見る。

（好きな感情の違い？　私、栗山先生のことも好き？　確かに好きは好きだけど……）

「まぁ、それは僕がちょっとおこがましいかな。猪沢先生に対しては、憧れと少しの恋愛感情が入ってたとは思うしね。でも、友だちや家族に抱く『好き』だって感情の方に近かったんだよ」

　なんだかまたドキドキしていた。
　それを知るのが少し怖くもあった。

　しかし、栗山先生は続ける。「でも、今は、きっと……男の人として好きになったから緊張してるんじゃないかな？　本当に好きな人といると、緊張するものだよ」