私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
自慢じゃないけど、私はこれまであまりトラブルのない人生だった。
あれだけ人に悪意を向けられたことも、ほとんどない。
そう思って、ふと5年前のことを思い出す。
あの時……修と一緒にいた女性の医師。そのうちの一人が姫下先生だったこと。
「思い出しました。5年前も……姫下先生に会ったことある」
「気にしないでいいよ、猪沢をとられたのが悔しいだけだ」
そう言って壮汰さんが慰めてくれる。
(そっか、彼女も修のこと……)
そう思ったけど、私は首を振って、大丈夫です、と微笑む。それを見て、壮汰さんは意外そうな表情をした。
「そうなんだ?」
「過去があるのは当たり前だし。気にしません」
これは私の本心だ。
だって、わかってた。修がモテテたことも、全部。
そう思ってそう言ったのだけど、壮汰さんはまっすぐ私を見つめて口を開く。
「例えば、姫下と猪沢が過去に身体の関係を持ってたとしても気にしないって言える?」