私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「それがさ、理学部にいる須藤准教授って知ってるだろ? そこの同期で、大学時代から共同研究してたっていう先生だから余計でさ……」
「あの須藤先生ですか……? 私は専門が違うので直接指導してもらっていませんでしたが、理学部の出身で須藤先生を知らない生徒は誰もいないと思います」
須藤先生と言えば、とんでもない天才と言われていて、研究費の額は本校だけでなく、日本でもトップクラス。若いのに准教授となっただけあって、やることなすこと抜け目ない。
それに、かなりのイケメンで、物腰も柔らかで人気もとんでもない。
理学部出身で、いや、理学部じゃなくても、須藤先生の名を知らないものはいない、というような先生なのだ。
「須藤先生、子どもが生まれてからますます研究も順調だしねぇ」
そう言って、栗山先生は何を思い出したのか、困ったように笑った。
それから栗山先生は、ちらりと輪の中心を見て、目を止める。
「うわ、確かにあの先生、かっこいいな。あの顔面で、須藤先生と並んでたら凄そうだよね……。雑誌の表紙にでも出てきそう……って、あれ? あの先生、夏目さんちから出てきたオトコ⁉」
「ぶぅっ!」
私は、次は米を吹き出す。
(やっぱり修じゃないかぁああああああ!)