私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
26章:大好き
修の動きがぴたりと止まって、驚いたように私を見ていた。
「くるみ? どうした」
「今して。今がいい」
私は修の胸に顔をうずめる。
きっとそうすれば……最後まですれば、なにか変わると思った。
この不安がなくなるかもしれないって。
「なにかあった?」
「いやなの。これ以上差がつくのも、振り回されるのも」
修は小さく息を吐いて、静かに私の髪を撫でる。
私は修に抱きついたまま、首を横に振った。
そのうち、背中に腕が回され、背中を優しく叩く感触がした。まるで子どもをあやすみたいに。
私は顔を上げると、眉を寄せる。
「子ども扱いしないでっ!」
「子どもじゃないなら、今日あったこと全部言えるな」
「っ……」
私は思わず口を噤む。
修を見ると、修は、言いなさい、ともう一度念を押すように言った。