私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「ところで、どうしたの、突然帰ってくるなんて」
「いや……なんとなく。いいじゃない、実家なんだからいつ帰ってきても」
私がそう言いながらダイニングテーブルでおせんべいをかじると、想像以上に辛くてお茶をすぐに飲みほした。
まだ喉が渇いたと思っていると、いつからいたのか、父が静かにお茶を注いでくれる。
相変わらず言葉は少ないが、過保護で優しい父である。
父は静かにリビングのソファに座って新聞を広げると、それに相反するように、母は最近の近所のトピックスまでご丁寧に全部一人で話してくれた。
「ご飯は?」
「家に帰ってから食べる」
「本当になんできたの」
母は本当に用事のないらしい私の顔を見て、呆れたように息を吐いた。
私だってはっきり理由は分からない。なんとなく足が実家に向いただけだ。