私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

「そ、その話って、修は知ってる?」
「まぁ、修くんのお母さんの真智は私の遠縁の親戚だし、少なくとも真智は知ってるわね。あ、あと……くるみが退学届けを勝手に出した時、父さんから修くんに連絡してたわよ」

 そう言うと、母は分かっていたように微笑む。
 父は少し驚いた顔で母を見て、「知ってたのか」と呟いた。

「当たり前でしょ。何年夫婦やってると思ってるの」

「ちょ、ちょっと待って。修は私のこと、好きじゃなかったから一人でボストンに行ったんじゃないってこと?」
「はぁ?」

 母がとんでもないほど間の抜けた声をだす。

「修くんは、くるみのこと連れて行きたかったに決まってるじゃない。一人にしておくと不安だし。でも、くるみ自身のことを真剣に考えてくれたからこそ、置いて行ったのよ」

「うそ……」
「あんたが、まだそんなことにも気づいてないバカ娘だとは思ってなかったわ」

 母は相変わらずかわいい一人娘に対して辛辣である。
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