私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

 車の助手席に乗せられ、車は発進する。

「ど、どこいくのっ」
「くるみが好きそうなところ」

 そう言われ、最初についたのは映画館だった。ドンピシャ私の好きな、そしてひっそり観たいと思ってた恋愛映画。

 正直なところ、すぐにホテルにでも連れ込まれるのではないかと思っていたから、ほっとしていた。

 映画館で、隣に座る修の手が少し自分の手に当たってドキリとしたとき、修は当たり前のようにそのままするりと指を私の手の中に這わせて私の手を掴んだものだから、それだけで私の熱が一気に上がった気がした。

 それで手を繋いだまま映画の終わりまで映画を見たけど……正直、感動のラストシーンについては、緊張でよく覚えていない……。

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