私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
それから軽くランチをして、雑貨屋を巡る。しかも、本当に私の……というか女性全般が好きそうな雑貨屋で、私はふいに不安になる。
(もしかして、他の女性と行ったことのあるところだろうか……)
そう思っていたからかもしれないが、途中、カフェでお茶をしたとき、私は思わず口を滑らせた。
「修は、こういうとこよく知ってるんだね。この前言ってた女性が詳しかったの?」
自分の言い方に随分とげが含まれている気がしていたたまれなくなる。
しかし、吐き出してしまった言葉を戻すことはできなかった。
修は一瞬きょとんとした顔をした後、楽しそうに笑いだす。
そして、首を横に振った。
「まさか。女性とデートだってはじめてなのに。このあたりの雑貨屋は、うちの女子学生たちが行きたいって話していたのを盗み聞きしてしまったんだ」
「へ?」
「講義の前に話してて、つい。今日のことがあったから質問したら、学生が詳しく教えてくれた。俺は全然そういうのに疎いけど、学生はよく知ってるよな」
そう言って修は笑う
真相を知ってしまえば、結局すべて自分のために調べていたのだと気づいて、先ほどの発言も含めて考えると自分の失言に顔が赤くなる。
「そ、そうなんだ」
「心配しなくても、俺はくるみ以外、興味のあるものなんてないから」
思わず顔を上げると、また蕩けるような甘い目で私を見ている。
慌てて目をそらして、私は運ばれてきたケーキをバクバクと勢いよく口に入れた。