私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
私は、ぎゅっと手を握ると、下を向く。
「じゃ、じゃあ、メールもなんでくれなかったの」
「決心が鈍るだろ。でも、結局、耐えきれなくて、行き詰った時に二回送ったけど」
「……」
ボストンに行った修から来たメールは二通。
『元気か?』ただそれだけ。
私はそれに返事をしなかった。
でも、そのメールは何度となく見てしまった。
「私、返事してない」
「うん。でも、それ見たくるみの顔を何度も想像してた」
「なにそれ」
「それだけじゃなくて……くるみのこと、毎日思い出してた。思い出さない日はなかった。朝も昼も夜もなく研究していても、不思議と思い出すもんなんだなって。なんだか自分で自分がおかしくて」
ふいに修をみると、修は少し緊張した顔で笑って、それを見て私まで緊張してしまう。
「俺にはくるみしかいない。くるみしかいらない」
急にそんなことを言われて、私は修を見つめた。
心臓の音が、ドッドッドッってうるさい。目を逸らすことができない。
私が声を発するより前、
「夏目くるみさん。俺と結婚してください」
はっきりと、迷いのない声で修は言った。