私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「くるみの記憶、きちんと塗り替えたかったから」
修ははっきりとそう言うと、ひょいと私を抱き上げる。
暴れるより先、修が歩き出した。
向かった先は、修の、あのときの寝室だった。
あの時と全く違うのは、ベッドに優しく丁寧に置かれて、見上げた先にあったのが、修が優しく微笑んだ顔だったということ。
そんな修の顔を見ると、私の胸は驚くほど大きな音を立てて鳴り出す。
「修……?」
「言ったよな。プロポーズ受けたら抱くって。もちろん覚えてたよな?」
念を押すようにそう問われて、私の心臓はさらに音を立てて鳴りだした。
「くるみ、答えて」
低い口調でそう問われれば、勝手に首が縦に動いた。
「……う、うん」
色々混乱したままの私に、修は優しく口づける。
そうされると、急に緊張が解けた気がした。
「今回はきちんと見ていろ。くるみがされること全部、見て、感じて、鮮明に焼き付けろ」
修のギラギラした男の目に、その低い声に……身体が熱を持った気がした。