私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
30章:俺と彼女のこと①(side 修)
「ごめんなさいねぇ。ボストンから帰ってきたばかりなのに、父さんのお酒につきあわせちゃって」
俺はボストンから戻ってすぐ、その足で自分の実家と、すぐにくるみの実家にも行った。
くるみの実家では、くるみの父親が一緒に飲もうと誘ってくれて、付き合っていたら飲みすぎたようで父親が先に潰れてしまった。
幸せそうに眠っているその父親の顔を見て、俺は、その様子を楽しそうに眺めていたくるみの母親に、そろそろ帰ります、と声をかける。
すると、くるみの母親は、玄関先まで見送ってくれた。
「いいえ、今日はお義父さんともゆっくりお話しできてよかったです」
「あの頑固で娘大好きな父さんだから、いくら完璧で優しい修くんでも、これまで認められなかったみたいだけど……。修くんが、くるみが大学卒業して自分で好きな道を歩くまでは待ってくれたって……『修くんは父さんの気持ちも汲んでくれた』って言って、もう一気に絆されたみたい」
「そうですか。それは良かったです」
目を細めてそう言うと、くるみの母親は
「本当は、そうじゃないのにね」
とぴしゃりと言う。
その言葉に、思わず目の前のくるみの母親を見つめた。