私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
正直なところ、今までくるみのことしか考えていない。確かにくるみの親の気持ちを汲んだのではなく、くるみのことを考えれば自然とそうなっただけだ。
それくらい俺の中心はくるみで、彼女がいなければ自分はろくでもない人間になっていたように思う。
くるみは、昔から俺に懐いていた。
最初は、ただの妹のような存在だと、そう思っていた。
それが変わったのはいつだったのだろう。
自分の笑顔は全部作られたものなのに、彼女は本心から笑って怒って泣いて、いつだってこんな俺のそばにいてくれて、誰よりも特別な存在になっていった。
自分のことを全面的に信用して、くるくるかわる表情を見せて笑っている彼女のことがいつの間にかすごく好きになっていたんだ。
ただ、くるみは『俺のことが好きだ』と思いながら、その感情は他の好きと区別できない感情だった。
俺は、ずっと人の気持ちなんて簡単に変えられると思っていたのに、どうあがいてもこれだけは変わらない。純粋すぎるが故だったのかもしれないが、それが俺にはとても歯がゆかった。
そんなことをしているうち、どんどん彼女に嵌っていった。9つも年下のくるみに……。