私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
 とにかく俺は、くるみが20歳になるまで、そして、もう少しくるみにそういう知識ができるまで我慢しようと思って必死に耐えていた。
 我慢できたもう一つの理由は、医者として忙しい時期だったし、力をつけるべき時期だと思っていたからだ。

 くるみとの今後を考える上で、自分のポジションは大事だった。
 くるみの笑顔を曇らせないような……くるみが好きなことが好きなようにできるような……。
 そして『誰にも』俺とくるみとの仲に口出しをさせないような、そんな『確固たるポジション』が俺には必要だった。

 ただ、くるみが20歳になる直前。そんなタイミングで、ボストン行きの話が舞い込む。

 俺はすぐにボストンに行くことを決めた。ボストンに行って研究に成功すれば、その後の地位は間違いなく確立できるからだ。

 その間、くるみは大学に通うだろうし、卒業して院に進むかもしれない。初めてこの年齢差に感謝したかもしれなかった。
< 367 / 388 >

この作品をシェア

pagetop